
メモ魔を卒業! 必要なメモだけ残すADHDエンジニアのための「捨てる」技術
結論:メモは「トリアージ」「3つの保持ルール」「自動アーカイブ」で減らせます。衝動で書く癖を完全には消さず、保存するメモを即判断する習慣を作ると、注意散漫でも実務に役立つメモだけ残せます。
導入:私はかつて会議中もコードレビュー中も思いつきで大量にメモを取り、後でデータの山に圧倒されていました。ADHD特有の衝動とハイパーフォーカスが相まってメモだけが増え続ける。捨てる技術をルール化してからは、必要な情報にすぐ辿り着けるようになりました。本記事では、エンジニア向けの具体的ルール、ワークフロー、ツール選定基準、注意点を実体験に基づいて説明します。
要点まとめ
メモを減らす短い方針を先に示します。
- 即トリアージ:書いた瞬間に「使うか」「保存するか」「捨てるか」を決める
- 保存ルール(3つ):アクション、参照価値、知識化のいずれかに該当するものだけ保存
- 自動化:タグ付け・期間経過で自動アーカイブや削除を行う
- 週次レビュー:10分でメモの要否を再判定する
これを実行すると、メモの総量が減り、検索時間と決断疲労が下がります。以下で詳述します。
「捨てる」ための基本原則
まず大事なのは感情で判断しないことです。衝動で取ったメモは価値が低いことが多く、保存すると不要な負担になります。保存の基準を明文化すると、実行しやすくなります。
保存のための3つの基準を定義します。どれか一つでも満たせば保存します。
- アクション:そのメモから具体的な作業(チケット化、TODO化)に繋がる
- 参照価値:プロジェクトや設計判断で繰り返し参照する可能性が高い
- 知識化:学習や技術的理解を深めるために長期保存が有益
例(エンジニア):レビュー中に「この関数はスレッドセーフではないかも」と書いたメモはアクションに該当するため保存し、チケットを切ります。逆に「思いつきの最適化アイデア」は短期的なら捨てるか一時フォルダへ移します。
なぜこれが効くか:ADHDの衝動は止められないので、代わりに判断を素早くする仕組みを作ると実効性が出ます。保存基準が明確だと決断疲労が下がります。
実践ワークフロー(エンジニア向けテンプレート)
ここでは日常で使える最短ワークフローを提示します。これは私がチームで試して効果があったやり方です。
書く瞬間(0分)—トリアージラベルを付ける:Keep(保存)/Action(タスク化)/Trash(一時捨て)。
保存すると決めたらテンプレートを使う:タイトル、背景、期待する結果、期限(あるなら)、関連チケット/ファイル。
週次レビュー(10分)—KeepとActionを見直し、期限切れや重複を処理。Trashは24時間以内に完全削除。
自動化—タグルールで一定期間未更新のメモをアーカイブ。例:60日未更新でArchiveフォルダに移動、さらに180日で削除候補。
例(エンジニア):デプロイ失敗時のログ切り出しをメモに残した場合、即Actionラベルを貼り「チケット#1234を作成」と書く。週次レビューでチケットが解決済みならメモを削除またはアーカイブします。
ツール比較と選び方
複雑なツールはADHDには罠になります。選ぶ基準は「入力の速さ」「検索の速さ」「自動化のしやすさ」です。
- シンプルノート(例:Simplenote, 標準メモ): 入力が速く、間違いに気づきやすい。自動タグ機能は弱い。
- データベース型(例:Notion, Airtable): フィールドを作れば構造化できるが設定が必要で使いこなすまで工数がかかる。
- ファイルベース(例:Obsidian): ローカル管理で高速検索、バックリンクは知識化に有効。ただし設定の学習コストがある。
トレードオフの例:Notionはテンプレートでチーム運用しやすいが、多機能すぎるとメモ取りの敷居が上がる。Obsidianは個人向けに高速だが、共有が面倒。
私の推奨:まずはシンプルなメモアプリでルールを試してから、定着すればデータベースに移行する。これがADHDの実行障害を最小化します。
メリット
保存基準を持つと検索時間が減り、メンタル負荷が下がります。チームで共有する場合、無駄な情報が減りレビューが早くなります。エンジニア視点では、デバッグ時に必要なログや決定理由だけが残るため再現性が上がります。
例:アプリのバグトリアージで、再現手順とログだけがまとまっていれば復旧が速くなります。
デメリット
初期のルール作成と習慣化に努力が必要です。過剰に捨てると将来必要になる知見を失うリスクがあります。自動アーカイブの設定を誤ると重要なメモが見えにくくなる可能性があります。
例:過去の設計判断を消してしまい、後で「なぜそうしたか」が分からなくなる場合があります。重要度の判断基準は定期的に見直しましょう。
向いている人/向いていない人
向いている人は、作業中に大量の断片的なアイデアが出るエンジニアで、情報整理に時間を奪われている人です。向いていない人は、すでに厳密なドキュメント運用があり個人的なメモは不要なチーム環境にいる場合です。
例:スタートアップで複数プロジェクトを掛け持ちするバックエンドエンジニアには特に有効です。一方で大規模チームで公式ドキュメントのみを参照するQA担当には恩恵が小さいかもしれません。
チェックポイント
ここでは週次レビュー時に確認するチェックリストを示します。目的は短時間で不要メモを削ることです。
- このメモは最近(30日以内)参照したか?
- このメモから具体的タスクが発生しているか?
- 重複しているメモはないか?
- 他人にとって価値があるか?(チーム共有の必要性)
これらの質問に「いいえ」が多ければ削除またはアーカイブを検討します。
行動のポイント
週次で実行する具体行動を短く示します。
- 金曜終業前に10分だけレビューする
- メモを取る際は最初の行にラベル(Keep/Action/Trash)を書く
- 自動アーカイブのルールを1つだけ設定する(例:60日未更新でArchive)
小さな習慣化が継続の鍵です。ADHDの特性には柔軟に対応してください。
結論:まずは「トリアージラベル」と「週次10分レビュー」を始めてください。ツールはシンプルなものから。続けるうちに本当に必要なメモだけが残り、作業効率と精神的余裕が増します。
よくある質問
Q. 衝動で書いたメモを完全に止めるべきですか?
止める必要はありません。衝動を書くこと自体は思考の出発点になります。問題は保存して積み上がることです。書いたら即トリアージしてTrashなら短期保管後自動削除にするのが実用的です。
Q. どのくらいの期間でメモを削除すればいいですか?
プロジェクト依存ですが、一般的には60日でアーカイブ、180日で削除候補が無難です。決定理由が重要なら長めに設定してください。
Q. チームで運用する場合の注意点は?
ルールは軽く、エントリを簡単にすること。複雑なメタデータは個人でやり、チーム共有は必要最小限に留めると運用負荷が下がります。
Q. ツール移行はどう進めれば安全ですか?
まずエクスポートし、重要メモだけ移行する。移行の前に「保存基準」でフィルタリングしておくと不要な移行を防げます。
Q. メモを捨てた後に必要になったらどうする?
捨てる前に一時フォルダへ移し、一定期間(例:30日)経過後に完全削除する運用にすると戻せる猶予が生まれます。
(以上)
結論として、ADHD特性は変わらなくても「捨てる」仕組みを作ることでメモは劇的に減らせます。まずは今日からトリアージラベルを導入し、週次レビューを習慣化してください。すぐに効果を感じられるはずです。
コメント